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今回の修理のご依頼は、iPhoneSEの水没復旧です。
その日の朝にトイレに落としてしまって、すぐに拾い上げて電源を切った。工具セットを持っていたので、本体を開封して、汚れていたので水で洗って、よく乾かした。
その後、電源を入れようとしたが入らないそうです。
なるほど、水没復旧修理、試してみましょう!
まずは分解して基板を取り外します。
まだ少し濡れています。そして真っ赤な水没反応シール。
バッテリーのコネクタのところに、若干のショート痕が見られますが、その他はキレイに見えます。
接点洗浄液で基板の不純物を飛ばし、よく乾燥させます。
他の部品も分解してみて水分をとります。
お預かりが夕方だったため、分解しておいて、翌朝まで半日放置して、よく乾燥させました。
翌朝、検品機で部品のチェックをしてみます。
液晶:映らない。お亡くなりです。
バッテリー:%上がっていきます。大丈夫そうです。とりあえず25%まで上がりました。
あとは基板です。
上がっているバッテリーと、検品機の画面を取り付けて、電源オン・・・!
リンゴマークが光りました!よしよしよし!!!
やけにリンゴマークが長かったですが、パスコード画面が開いて、伺った番号でロック解除!OKでーす!
でも勝手に電源が落ちました。バッテリーの消耗でしょうか。
再起動すると、11%。あれ、検品機で25%まで上がってましたよね・・・?
充電ケーブルを挿して様子を見るか。すぐ12%になったので、このまま上げておこう。
他の修理などした後に見ると、あれ11%になってる?上がってない、むしろ下がっている。稲妻のような充電マークは出ているのですが・・・。
水没でバッテリーが弱まったのかもしれません。検品機のバッテリーを付けてみましょう。17%。
しばらくして見ると、16%。下がってる・・・。
これは充電コネクタ部分、ドックコネクタの部品がおかしいのか。ドック部品を仮付けで様子を見ますが・・・やはり下がっている。
結論としては、水没の影響で、充電が上がって行かないiPhoneになってしまったようでした。
液晶画面を交換すれば、動作します。
検品機でバッテリーを充填しておけば、使えます。
でも、バッテリーを上げることができない・・・。
SIM無しの予備機として使っていた端末で、データは重要ではなく使い続けられれば、とのことでしたので、今回は部品を交換することはなく、画面が光らないため動作確認不能という状態に戻して、お返しとなりました。
基板ではなく部品の故障でしたら、部品の交換で修理可能ですが、基板が故障していると、どうにもなりません・・・。
水没後、すぐに拾い上げて電源を切ったそうですが、その通電の影響と、乾燥し切っていない時に通電チェックをした影響が、出てしまったものと思われます。
水没してしまったら、すぐに電源を切る!そこまでは良かったのですが、自然乾燥のみで通電チェックしてしまったのが良くなかったのではないでしょうか。
万が一、iPhoneが水没してしまったら、試しに電源を入れたりは絶対にしないで、すぐに修理店にお持ちください。
絶対に直せる、とはお約束できませんが、できる限りの事はいたします。
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